NO.465
車一つにあまた乗りて、・狩衣など乱れて、ものぐるほしきまで見えし君達の
NO.466
下はえならざりける水の、ふかくはあらねど、人などのあゆむに走りあがりたる
NO.467
つぎには殿上人、若公達、狩装束、直衣などもいとをかしうて え居もさだまらず
NO.468
松風の空吹き拂ふ世に出でてさやけき月をいつかながめん かやうに詠じ足の湯をぞわかしける 【鉢かんづき】
NO.469
約束の日にもなりしかば、なりをしづめて笛を吹き給ふ。十八日の月、済み上りて、千里万里に明らかなり 【梵天国】
NO.470
御身がまなこをよく見るに、頼光にておはします 【酒呑童子】
NO.471
横障の雲と隔てられ、わが子見ぬかな悲しやな、善知鳥安方の鳥だにも、子をば悲しむならひあり【さんせい太夫】
NO.472
一引き引いては千僧供養 二引き引いては万僧供養 【をぐり】
NO.473
これは夢かやうのうつつかの うつつの今の別れやな 【かるかや】
NO.474
旅の道者か、さのみ御なぶりたまひそよ。盲目杖に答はなし。そこ退きたまへ と払いある 【信徳丸】
NO.475
われは冥土の母なるが、愛護が命取らるる 悲しさに、命の姿に生を受け、これまで参りてありけるぞ 【愛護の若】
NO.476
幼きもののことなれば、何とも者をば知らずして 姉御の膝を枕として、前後も知らず臥したりけるこそ哀れなれ 【胸割】
NO.477
わが声は蜀の山路も越えぬらむ 生める子の末思ふ思ひに【熊野の御本地】
NO.478
姫君 御首に抱きつき、顔と顔とを押し合はせ、消え入るやうに泣き給ふ 【堀江巻双紙】
NO.479
岩穴へのぽらんとする時 左衛門「この燻燭持ちて御身は先に行かせ給へ」 と申されけり。【あきみち】
NO.480
かほど美しき人をさへ、いひいだす事もなし、 ましてわらはが事とてはとて、髪剃り落とし出家せんと、ただ一筋に思ひ定めし女房の 【さいき】
NO.481
パエトンは、飛ぶような馬たちに、さらわれて行く。
NO.482
ダフネ、アポロンに追いつめられる。
NO.483
アドニスよ、お前の死と わたしの嘆きは年々に新たになろう。
NO.484
エウロペは 牛の正体をしらぬまま その背に乗ってみた。
NO.485
ネッソスはヘラクレスの新妻ディアネイラを略奪する
NO.486
バッカス、テセウスに捨てられたアリアドネを見初める
NO.487
ペセルウス、鎖につながれたアンドロメダを救出する
NO.488
追ってくるグラウコスの正体を見届けようとするスキュラ
NO.489
女神ケレス、リュンクス王からトリプトレモスを守る
NO.490
ペリセウスからミネルヴァに差し出されるメデューサの首
NO.491
ティスペ、己が胸に刃を当て、愛するピュラモスのあとを追う
NO.492
ディアナとニンフたちアクタイオンに沐浴の姿を覗き見される
NO.493
ヴィーナスの子 サルマキス 泉の妖精の虜となり溶け合う。
NO.494
ケパロス、あやまって槍を投げ、最愛の妻プロクリスを斃す